「サウンド・オブ・ミュージック」
池袋の新文芸座で映画「サウンド・オブ・ミュージック」を見てきた。一日かぎりの上映。けっこう込んでいるかと思い早めに出かけたが、思ったほどではなかった。中学のときに見て以来だから実に久しぶり。生涯のベストテンにランクインさせたいくらい印象深い作品だったが、時間をおいて2度目に見たら案外つまらないかもしれないという心配は、さいわい杞憂に終わった。「ドレミの歌」のところでは感傷のツボを刺激されて目頭が熱くなったほど。シネスコの大画面に映るオーストリア・ザルツブルグの風景も魅力的。これは初めて見たときには特に意識しなかった。ジュリー・アンドリュースが演じるヒロインの名前はマリアというが、この映画の監督ロバート・ワイズが手がけたもう一本のミュージカル映画「ウエストサイド物語」のヒロインもマリアなのが面白い偶然だ。
この映画に出てくるトラップ・ファミリーというのは実在していて、映画でも描かれているように、オーストリアがナチス・ドイツに併合されたのを機に一家は国外へ去り、やがて家族でコンサート活動を始める。前妻の子供7人のほかに、大佐とマリアの間にも子供が3人できた。アメリカに移住したあとの1949年にはマリアの書いた自伝が当時のベストセラーになっている。それが本国のオーストリアでまず映画化され、その後ブロードウェイのミュージカルになったのが1959年。そして今回の映画化が1965年。1本の映画にもけっこう履歴があるわけだ。今回、見ていてふと疑問に思ったのは、やがてマリアの夫になるフォン・トラップ大佐が、海軍の退役軍人だということ。映画の冒頭に雄大なアルプスの山々が出てくることでもわかるように、オーストリアは海のない内陸の国だから、当然海軍もないはず。便利なウィキペディアでさっそく調べてみると、実はオーストリアが内陸の国になったのは第一次世界大戦後。それまではオーストリア・ハンガリー帝国として広い領土を持ち、もちろん港も海軍もあったのだ。映画の時代背景は1930年代。これならフォン・トラップ大佐が海軍にいたことも納得がいく。優秀な軍人だったらしく、戦後はその功績によって男爵の位が与えられた。中国で義和団の乱が起きたときにも巡洋艦に乗って活躍し勲功を立てている。以上、歴史のトリビア。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- キッズと子供たち(2008.04.15)
- 「テイラー・オブ・パナマ」(2008.04.15)
- 「ノーカントリー」(2008.03.31)
- 「続・禁断のインモラル」(2008.02.02)
- 「サウンド・オブ・ミュージック」(2008.01.27)


コメント